2024/05/01
栃木県・埼玉県を中心に、全国の企業の労務管理を支える社会保険労務士法人アミック人事サポートです。
2024年5月には新たな過労死防止対策大綱の素案、育児休業給付の制度改正、仕事と介護の両立支援に関する経営者向けガイドラインなど、人事部門が取り組むべき重要なポイントが多数あります。
本コラムではこれらについて概要を解説していきます。
厚生労働省が提出した新たな過労死防止対策大綱の素案は、労働者の健康保護をさらに強化することを目的としています。
この素案には、労働時間の厳格な管理と健康管理の強化が含まれ、労働者の生活の質の向上と生産性の向上が期待されています。
企業はこの新大綱に基づき、具体的な過労死防止策を策定し実施することが求められます。
これには組織全体の意識改革と実務の見直しが必要であり、特に中小企業における実施の際のサポート強化が課題となるでしょう。
時間外労働の上限規制は、適用が猶予されていた業種についても令和6年4月から労働基準法に基づき設けられています。
政府は違反企業に対する監督を強化し、実効性のある対策を講じています。
違反企業には罰則が科される可能性があり、企業はこれを回避するために時間管理システムの導入や勤務体制の見直しを迫られています。
また、従業員の健康と安全を確保するための研修の実施も一層重要になっています。
過労死等を防ぐための全社的な再発防止策の策定を求める指導が実施されます。
さらに、一定期間内に複数事案を発生させた企業は「過労死等の防止に向けた改善計画」の策定が求められ、計画が企業全体に定着されるよう都道府県労働局長が助言・指導を実施するとされています。
育児休業給付の受給期間延長手続きの厳格化は、制度の濫用を防ぎつつ、本当に必要な支援を必要とする労働者に対して公平性を保つために2025年4月1日から実施されます。
保育所に入所させる意思がないにもかかわらず、育児休業給付金の延長を目的に保育所への申し込みを行うといった、いわゆる落選狙い問題があり、それによる自治体の事務負担が増加しているという背景があるようです。
この改正により、企業は育児休業取得中の者や今後の希望者の管理に更なる注意を払う必要があります。
一方で、労働者は自身の権利を正しく理解し、適切な手続きを踏む必要があります。
2025年4月1日以降に育児休業に入る子が1歳または1歳6ヵ月に到達する場合に適用となるため、早めに準備に取り掛かりましょう。
日本の労働人口の高齢化が進む中、企業は従業員の介護負担が増加する問題に直面しています。
このため、経済産業省は仕事と介護の両立を支援する新たなガイドライン(仕事と介護の両立支援に関する経営者向けガイドライン)を公表することで、より幅広い企業が両立支援に取り組むことを促しています。
ガイドラインは、企業が従業員の職場と家庭の双方でバランスをとることを支援することを目的としています。
取り組みを積み重ねることでの中長期的な企業価値の向上や、人材不足に対するリスクマネジメントにもつながることが期待されます。
引用:(仕事と介護の両立支援に関する経営者向けガイドライン)
経営者は、介護ガイドラインを効果的に実施するためのキーパーソンです。
経営者は、組織全体にガイドラインを浸透させ、文化とポリシーが一致するよう努力する必要があります。
成功するためには、経営者は介護ガイドラインの実施だけでなく、推進するにあたり、担当者を任命しておくことも重要です。
中小企業においては専任部署が存在しない場合も想定されますが、経営者の右腕として推進する担当者がいることで、より一層力強く進めていくことが可能になります。
企業は、社内の実際の介護ニーズを把握するために定期的な調査を実施することが重要です。
これにより、介護が必要な従業員の正確な数やニーズを理解し、適切な支援策を策定できます。
また、介護の情報把握については、今後のキャリアへの影響を懸念する声もあることから、心理的安全性を確保することも踏まえ、事前に人事評価等への活用は行わないことを経営者自ら発信することも求められます。
仕事と介護の両立支援の課題の1つに、従業員が必要な知識を持てていないことがあります。
誰しもがなり得る可能性のあることと考え、必須かつプッシュ型での情報提供をする必要があります。
中小企業の場合は自治体や省庁が提供しているパンフレットの活用もご検討ください。
教育や研修の機会の提供は、従業員が介護に関連する課題を理解し、必要なスキルを習得するのを助けます。
行政や民間企業等が実施している無償のオンライン研修への参加を促すことも重要です。
また、管理職層への研修も重要で、チームや部署をマネジメントする立場として、いかに介護に向き合っていくかを考えていくきっかけとなります。
特別休暇制度には、病気休暇、慶弔休暇、ボランティア休暇などが含まれます。
これらの休暇は、従業員が私生活の重要なイベントに対処するために設けられており、企業は各種休暇の条件と適用範囲を明確に定義することが求められています。
特別休暇制度の導入は、従業員のワークライフバランスを向上させることで、全体の仕事の満足度と生産性を高めます。
また、従業員の健康と福祉への投資は、長期的には離職率の低下と従業員のロイヤルティ向上につながります。
最近、自治体等では、従業員が孫の世話をするための「孫休暇」を導入しています。
この休暇は、高齢化社会において家族支援がますます重要になる中で、従業員に対する支援を拡充するために設計されました。
法律上では規定されていない休暇ですが、育児に関する支援の一つとして今後の創設が期待されている休暇です。
2024年5月、人事部門は重要な法改正と労働環境の改善に直面しています。
特に焦点を当てるべきは過労死防止対策の強化、育児休業給付の制度改正、そして仕事と介護の両立支援に関する経営者向けガイドラインなどです。
これらの課題に効率的に対応するため、人事部門は新しい対応に向けた準備をしながら、社員が働きやすい環境の整備と企業の成長を目指していきましょう。
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